【公式】「ゴジラ FINAL WARS」予告
多数の怪獣が登場するミレニアムシリーズ最終作。ゴジラシリーズの第28作目。
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の勢いで、久々に観てしまったじゃないか。どうしてくれよう(どうもしない)。
最初に宣言しておく。わたしはこの『ゴジラ FINAL WARS』、実はそんなに嫌いじゃない。むしろ部分的にはものすごく好きなところもある。ただまあ、映画としては、そんなに素晴らしい出来でもないし、かといって「カルト映画」としては、ちょっと弱い。数あるゴジラ映画の中のひとつとしてはありだけど、これが「FAINAL」だったらさすがに「それはどうなんだろう?」と思う。そんな立ち位置ということで。
紹介するほどのストーリーは、ない。「宇宙人が攻めてきて地球人とゴジラが対抗する」だけ。「地球人に化けて侵略」も「地球の怪獣を操って攻撃する」も過去作でけっこうある。というか、オマージュ? オマージュっていっておけばすべて丸く収まる風潮。
多少オリジナリティを感じさせるのは「超人類」だけど、ファンが見たいのはメーサー戦車とかそっちの方…… まあ、たぶんに予算的な問題だろう。
シリーズ最終作で、過去のゴジラに囚われない自由な人を!ってことで招聘された北村龍平監督。よく思い切ったよなあ東宝。この時点での代表作って『あずみ』くらいしかないじゃん。ただ、私は個人的に『あずみ』のスピード感は嫌いじゃない。安っぽいけど嫌いじゃない。でも北村監督って、構図で見せられない人だよなあ、とも思う。展開の意外性に対する構図の凡庸さ。画的にハッとするようなシーンがまずない。TVドラマ的、といってもいいかもしれない。そこは残念。でもここまであからさまな「ゴジラ無双」を見せてくれる監督は他にはいなかった。その点には感謝している。
観たら分かる通り、主人公のゴジラとドン・フライが敵をばったばったなぎ倒すシンプルな映画(え?なんか間違ってる?)。深みも含蓄もないけど観ている2時間はきっちり楽しませてくれる(※ただし波長が合った場合のみ)。エンターテインメント映画としてその姿勢は正しい。正しく三池崇史監督の後継者だと思ってたんだけどなあ。
万人にお勧めできる映画ではないけど、あまりゴジラの歴史に拘りがない、名前くらいは知ってるけど、というタイプの人には意外と合うかもしれない。2時間余裕があったら観てもよいと思う。
以下、例のごとく細かい小ネタ拾い。
- 船木の「マンダ」のイントネーションが変。
- 小美人の長澤まさみ、家にひとり欲しいな。歌わなくていいから。
- 「沖縄にキングシーサー出現!」って、さすがに沖縄の護り神は操らせちゃいかんでしょうに……
- 邂逅一撃で倒されるエメゴジ……っぽい怪獣。クモンガ以下かい。「やっぱマグロを食ってるような奴は駄目だな」はさすがに狙いすぎ。
- ゴジラvsアンギラス、ラドン、キングシーサー。シーサーがシュートしたアンギラスボールを止められないキーパーゴジラ。……過去に囚われないところは評価したけど、でもこれは遊びすぎ。あと、「怪獣プロレス」って本当にプロレスやらせる奴があるか。