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【映画】【ネタバレあり】『アベンジャーズ/エンドゲーム』小ネタ集1

2019/05/27

05 Movie

先日、【映画】【ネタバレあり】『アベンジャーズ/エンドゲーム』考察の記事を書いたのだけれど、映画の構成解説だけでかなりのボリュームになってしまい、まだまだたくさんある書きたいことがあったのに、ぜんぜん書けなかった。「この映画のここがこんなに面白いぞ!」が書きたかったのに…… という訳で、小ネタ集。神は細部に宿る(たぶん違う)。

※ここから先、『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、および過去のMCU(Marvel Cinematic Universe)作品のネタバレがあります。未見で、かつネタバレを読みたくない方は、一旦お引取りくださいませ。
























【ここからネタバレ】

■クリント(ホークアイ)の足枷
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』において、クリントは「ソコヴィア協定」(アベンジャーズを国際連合管理下に置くという協定)への署名を拒否し、ドイツの空港での協定署名派との戦闘時にスティーブ(キャプテン・アメリカ)ら反署名派側についたことで逮捕され収監。司法取引で自宅軟禁処置となり、取引条件として足首に監視装置がつけられているのが映像で確認できる。後にクリントがメキシコや日本で悪人狩りをしていたのを把握できたのも、たぶん監視装置のお陰(推測)。
クリントの右足首のくびれ部分(ベルトが締められている)に注目

■スコット(アントマン)の帰還
『アントマン&ワスプ』の終盤で、とある目的から現実世界とは異なる「量子の世界」を訪れていたスコット。本来なら現実世界のピム博士やホープが帰還の手続きをする筈だったが、サノスの「指パッチン」でサラサラされて…… (現実世界での)5年後、「偶然」ネズミが装置のボタンを押したことで奇跡的に生還。なおトニー・スタークによれば、スコットが帰還できたのは「10億分の1」の「宇宙的僥倖」。
「俺たち、数年前にドイツの空港で会ったよね!めっちゃ大きくなった奴、アントマンだよ」
なお、スティーブが「これは録画か?」と訝しんだのは、スコット・ラングは消失者名簿に記載されていたから。
指パッチン前後に行方不明になった人は、たぶんみんな消失者リスト入りにされたものと思われる。

■ソーの受難
1500年の長きを生きる(割には軽いよなあこの人いやこの神様)ソー・オーディンソンだけど、ここ数年で(主にマーベル・スタジオの都合により)悲劇が続いた。

・母フリッガが殺される。
  (以上『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』)
・地球の恋人、ジェーンと別れる。
・父オーディンが亡くなる。
・復活した実の姉ヘラが世界制覇を目論む巨悪。しかもべらぼうに強い。
・そのヘラに自慢の大槌ムジョルニアを破壊される。
・ヘラに片目を潰される。
・ヘラの力の源である母なる大地アスガルドを消滅させざるを得なくなる。
・残ったアスガルドの民を引き連れて流浪の旅に出る。
  (以上『マイティ・ソー/バトルロイヤル』)
・サノスにアスガルドの民を半分殺される。
・義弟ロキと盟友ヘイムダルを殺害される。
・新武器ストームブレイカーを携えてサノスを圧倒するも、自身の致命的な判断ミスで
 サノスに「全人類半分消滅」を許してしまう。
  (以上『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』)
・隠遁生活を送っていたサノスの首を「衝動的に」はねる。無為、無意味な殺害。
  (ロケットの「何やってんだよお前」のツッコミつき)
  (以上『アベンジャーズ/エンドゲーム』冒頭)

……ここまで書き出して、かなりしんどくなっている。監督曰く「ソーは間違いなくエンドゲームの主役のひとり」(意訳)ってのもむべなるかな。そりゃ逃避して引きこもって飲んだくれてデブっても仕方ない。神だけど。
これは引きこもる前のソー。まさかあんな腹、いやあんな姿になるとは……

■ハドソン川のクジラ
スティーブが「(ハドソン川で)クジラを見た。船が減り、水が綺麗になった」と語るシーン。これは、サノスによる人口半減の影響(単純に、人が減ってクジラが自由に行き来できるようになった、ってことだと個人的には解釈しているけど、知的生命体全部が半減したので餌が少なくなったクジラが餌を求めて活動範囲が広がった、って説もあり)。ナターシャに「もしあなたが明るい面を見ようとしていってるのなら、サンドウィッチぶつけるわよ」とたしなめられる。無論、キャプテンだって、とりあえずの話題として出しただけで、本心からそこに希望を見ている訳ではない。「サノスに負けたことで今こんな状況になっている」という自虐的な意味もこもっているが、ナターシャ相手にここで出すべき話題じゃない。キャプテンの心の不安定さを描いたシーン。

■海底地震
アベンジャーズ本部でのホログラムミーティングでナターシャがオコエから受けた「海底地震」の報告だが、サノスの所業の影響ではないし、本編で特に関連する出来事はない。おそらく今後作られる『ブラック・パンサー』続編への前振りと思われる。原作コミックでは海底を統べるヴィラン(悪役)がいるという話だが、現時点では何とも。

■ローニン?
クリント(ホークアイ)が東京で悪人狩り(という名の八つ当たり)をしているときのコスチュームと日本刀を使った戦闘スタイルが、原作コミックの「RONIN」を想起させるが、これは単なるファンサーヴィス程度のものと思っておくべき。「RONIN」は原作コミックのあちこちに現れる「ニンジャスタイルで戦うヒーロー」でいろいろ代替わりなどもしており、クリントは二代目にあたるらしい。

真田広之の殺陣は「さすが!」のひと言。惜しむらくは脚本の雑さと、ジェレミー・レナーの日本語

■青いアイアンマンマスク
5年後のスターク家、モーガンちゃんがトニーのガレージから持ち出してきた「青いアイアンマンマスク」は、ラストバトルシーンで明らかにされる「レスキューアーマー」の顔部分。トニーの妻ペッパー(本名はヴァージニア)用にトニーが作成していたアーマー。マスクがその形で存在しているので、トニー本人が着用するナノテクタイプではなく従来のメカニカルなタイプと推測される。

■『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
スコットが量子理論を元にしたタイムトラベルの可能性を伝えたときのトニーとのやり取り。

「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をするつもりか?」
「いいや」
「よろしい。心配していた。馬鹿げている。それは量子物理学の仕事じゃない」

超有名なタイムトラベルエンタテインメント映画のタイトルを持ち出して、それがどれだけ馬鹿げた発想かをたしなめるトニー。その一言でシュンとなるスコット。アントマンとして活動する為に必要な量子物理学の知識はいちおう持ってるスコットだけど、科学系の知識なら圧倒的にトニーの方が上。というかトニーの科学知識は人類でも上から数人のレベル。実際、トニーはその数時間後に、スコットの発想をヒントに量子力学によるタイムトラベル理論を完成させてる。どんだけ天才なんだよあんた。

トニーは馬鹿にしたけど、エンターテインメント映画として最高峰の作品なのは間違いなし!

■「3000回愛してる」
これは、ロバート・ダウニー・Jr.が本当の娘からいわれた言葉とのこと。ただ、ここは翻訳のニュアンスがちょっと違ってる。原語だと以下のやり取り。

トニー「I love you tons.」
モーガン「I love you 3000.」

トニーの就寝の挨拶「めちゃくちゃたくさん愛してる」("tons"は"a lot of"のさらに砕けた表現)に対してモーガンが「3000愛してる」。回数ではなく分量での表現。「3000トン」があんまり綺麗な響きじゃないのも理解できるけども…… なお、その後居間に戻ってトニーがペッパーに言った台詞は「You were somewhere in the low 6 to 9 hundred range.(君ならおおよそ600から900の範囲のどこか)」。600トンから900トンでも相当なもんである。


■「ローディ、気をつけて。アホがいる」
アベンジャーズ本部の離着陸場の脇のベンチでタコスを食べていたスコットを見つけたネビュラの台詞。スコットを「アホ」だと断言したのは、それまでの何度かのミーティングでのやり取りがあったからだろうけど、「強烈な風圧が起こる離着陸場の脇でのんきに飯食ってる判断力のなさ」もあったのかもしれない。実際タコスの中身が吹っ飛んでたし。この場面、何気ない日常描写だけで、あの元暗殺者のネビュラがローディ他のメンバーとうまくコミュニケートできてることが即座に理解できて、とても微笑ましいし、その後のローディとスコット、ハルクとスコットのやり取りも楽しいしで、とても良いシーン。ホント、シリアスめに傾いてる本作でのスコットの役割って、けっこう大きい。
あと、同場面のローディの台詞「やあ。今日は普通サイズ男だな(What's up, regular-sized man?)」は、タコス(の外側だけ)のサイズへのと、大小サイズ変更可能なアントマンへとのダブルミーニング。



■タイムトラベル映画ネタ
タイムトラベルが可能となって「赤ん坊のサノス殺したらいんじゃね?」と提案するローディにハルクその他が「過去を変えても、未来は変わらない」と説明。「俺はそう聞いたぞ」というローディに「どこで?」と尋ねると、ずらずらと「タイムトラベル映画」のタイトルが。以下がそれ。

・「Star Trek」-『スタートレック』もしくは『宇宙大作戦』

※リンクした「危険な過去への旅」他、タイムトラベルエピソードは多数あり。

・「Terminator」-『ターミネーター』

・「Time Cop」-『タイム・コップ』

・「Time After Time」-『タイム・アフター・タイム』

・「Quantum Leap」-『タイムマシーンにお願い』

・「A Wrinkle in Time」-『リンクル・イン・タイム』』

・「Somewhere in Time」-『ある日どこかで』

・「Hot Tub Time Machine」-『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』

・「Bill and Ted's Excellent Adventure」-『ビルとテッドの大冒険』

以上が「基本的なタイムトラベル映画」として挙げられた、いずれも「過去を変えたら、未来が変わる」映画。既出の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズも同じ。ちなみにスコットが「『ダイ・ハード』…… は違うか」といってるのは、たぶんブルース・ウィリスがタイムトラベルする『ルーパー』(Looper)と混同してるものと思われ。
   

■量子スーツ
ピム粒子を使った物体縮小には(アントマンスーツのような)密閉されたスーツが必要。量子世界を使ったタイムトラベルに挑むアヴェンジャーズチームも、胸元にきっちりAマークを入れた独自のスーツを開発。スイッチひとつでオン/オフできるトニー謹製ナノテクスーツ(しかし便利だなナノテク)。なお、ローディのウォーマシンだけは通常スーツではなくマシンのシルエットそのまま。おそらくスーツというよりはコーティングに近いものと思われる。

ウォーマシンに色塗っただけにも見えるけど、そんなことはない。

■タイムトラベル時のルール
「過去の自分に話しかけるな。スポーツイベントで賭けるな」(スコット)
後者はまんま『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』ですな。

■ナターシャ「じゃ、1分後に」
しかも、この直後にローディがナターシャとクリントに向かっていった言葉が「互いを守れよ」…… これ、1回目の鑑賞だと何気ない普通の台詞なんだけど、2回目以降に、ものすごく意味をもってくるのよね。


なんか、予想より長くなりすぎたので、とりあえず「その1」ということで。「その2」に続く。

なお、エンドゲームの台詞についてはこちらを参照した。有志による聞き起こしなので公式のものではないけれど、おそらくそう大きな間違いはないだろう。
Avengers: Endgame (2019) Movie Script | SS
https://www.springfieldspringfield.co.uk/movie_script.php?movie=avengers-endgame